私は過去に浪人を経験している。そして、現在は教育現場に関わっている。
それらの視点から、過去数回、大学受験について語ってきた。今回は、そこで語ったことを1つにまとめてみた。
過去記事に載せていないことも新しく載せている。
受験を控えた学生やその保護者の方などは必見である。
ちなみに、私は文系の国公立大学出身なのでそっちにむけた話がメインとなる。
*今までの記事の中で最長となってしまったが、熱く語ったのでぜひ読んでほしい。
受験を乗り切るために必要なこと
ここでは、受験を乗り切るために必要だと思うことを語る。
・共通テスト対策
・二次試験対策
・メンタル管理
以上、3点である。もっとあるが、挙げ出すとキリがないのでこのくらいで。1つずつまとめていく。
共通テスト対策
国公立を目指す上で立ちはだかるのが共通テストであろう。1年の流れ、各教科でやるべきことなどをまとめようと思う。
こちらの記事のリメイクとなる⬇️
1年の流れ
4月から7月
共通テストでの全体の目標点の設定、それに伴う各科目の目標点の設定をする。
夏休みに二次対策できるよう、古典、社会、(理科基礎)の暗記を中心にやっておきたい。
この時期は、共通テスト模試を大量に受けることができるため、過去問はまだ触らずに、模試によって形式へ適応したい。
インプットと問題演習の比率は、9:1
8月から10月
夏休みも含めここで二次試験対策を進めたい。共通テストの過去問はまだ触らない方がよい。
11月から1月の本番まで
共通テスト(センター試験)過去問を含めて、設問ごとの演習開始。
ここまでで、共通テスト(センター試験)過去問にまだ手をつけていないなら、ここで一気に進めていくとよい。
とにかく形式に慣れる。解くスピードを上げる。
インプットと問題演習の比率は、6:4
各教科でやるべきこと
国語
国語は時間が足りなくなりがち。だからこそ、私の場合、それぞれの設問について、どのくらい時間で解くかを相当分析していた。
大問1と2の評論・小説を45分、大問3と4の古文・漢文を25分、10分余ることを理想に取り組んだ。
古典の文法や単語のインプットは 必ず毎日やるようにしたい。使用していた古文単語帳はこちら。
英語
単語帳のチョイスが大事。共通テストでは難しい英単語は出ないので、 幅広く網羅できる英単語帳をやるといい。必ず毎日やるようにしてた。「難しいものをやればOK」ということはない。
センター(共テ)レベルの英単語でもなめたらダメ。某K塾のT置先生のお教えを受け、3冊の英単語帳を併用していた。ちなみに、センター(共通テスト)用に以下の単語帳を使用していた。
数学
現役の頃からさぼりがちで本当に苦手だったので、センター過去問20年分の解き方を分析し、全て頭に入れた。
20年分の分析なんかしなくても、1年生のころからちゃんと普通に勉強したほうが絶対にいい。
社会
世界史は二次試験でも使う予定だったが、二次向けの深い知識は共通テストには不要なので、教科書で素直にしっかり学習。
倫理・政経は、私の場合、ずっと継続して勉強していたが、点数がずっと伸び悩んでいた。
コツコツやっても頭に入らないことがわかったので、センター試験前日に1日かけて全範囲を復習した。その結果、過去最高点を叩き出した。
前日は、やったことが点数に直結する科目をやるといい。
理科
基礎科目は簡単にみえるが、意外と手強い。
あと、教えてもらう先生も大事になってくると思う。しっかり信頼ができる先生のもとで油断せず取り組んだ。
全教科共通:知識を蓄えろ、形式に慣れろ
センター試験(共通テスト)では、基礎的な知識の習得と、それを頭から素早く引き出す力が必要となる。
過去問から問題傾向を分析して、どの設問にどの知識が必要かを理解することが大切である。
問題を解く時間以上に、インプットと分析が大切。(現役生は形式に慣れる必要があるので、問題を解く比重も増やすべき)
センター試験と異なる点
センター試験と異なる点も述べておこうと思う。
いま教員や講師をやっている人たちが受験生だった頃には、「共通テスト」はない。
ゆえに、大人が過去の経験を生徒たちにそのまま語っても通用しない場合があるので、共通テストと過去の試験との違いをしっかり押さえておくのは重要である。
共通テストの方が問題演習を始める時期は早くなりそう
センター試験時代は、試験の1ヶ月前から演習を始めても間に合った。(実際、私もそうだった)
しかし、共通テストのいわゆる「新傾向」問題には、クセのある問題がいくつか見られる。
知識のインプットもしつつ、形式に慣れるために、試験2ヶ月前くらいから演習を始めたい。
共通テストの方が、日程がよりハードになった
新教科「情報」が加わったことが大きい。
2日とも18時くらいまで試験会場に拘束される。
いま受験生じゃなくて本当によかった…
この日程に耐えるべく、日頃の学習から長時間の勉強に励み、集中力を磨いておきたい。
二次試験対策
国公立大学を受験する上で、共通テストの次に襲いかかる試練が二次試験である。1年の流れ、やってはいけないことをまとめていこうと思う。
1年の流れ
4月から7月
基礎を固める時期。
某K塾では、浪人生に対しても、最初は基礎的なことからやり直しをさせる。「況んや現役生をや」だよね。そのくらい基礎は大事ってこと。
どの教科も基礎的なことをやりながら、抜けがあるところを補充したい。
文系は暗記をないがしろにしないほうがいい。難易度高めの英単語帳として、私が使っていたのがこれ⬇️
8月から10月
この期間を使って、二次試験レベルの問題にチャレンジしておきたい。ただし、自分が受けるかもしれない大学はなるべく避ける。(1、2年分くらいならいい)
理由はまたのちほど述べる。ある程度の難易度があれば、解く問題はなんでもいい。大学の過去問でもいいし、市販の問題集でもいい。
11月から1月の共通テストまで
ここは共通テスト対策がメインになる。二次対策はやれても土日とかになるだろう。
共通テスト後
いよいよ二次試験へ向けて走る時期である。
(これも某K塾のT置先生の教えに従ったのだが、)共通テストが終わってから1週間はリハビリである。二次試験向けの知識を思い出すのに費やしてほしい。
2月入るか入らないかくらいのところから、ようやく過去問演習を始める。夏秋に浪費してなければ、大量の過去問があるはず。ここで、二次試験への形式慣れをガツンと進めたい。
二次試験で差がつく科目
ここでは、二次試験で差がつく科目を、文系・理系に分けて述べていく。
文系
二次試験で数学が課せられる場合、間違いなく数学勝負にはなる。
数学は問題数が少ない。どこも大問が3〜5つくらい。それでいて、200点満点(多いと500点)とかである。つまり、ひとつの大問だけで50点(小問3つだとすると、小問1つで10〜30点)もあるのだ。
共通テストで50点の差をつけていても、二次試験の数学で一気にひっくり返さる。
二次試験で数学が課せられない場合、だいたい英語勝負となる場合が多い。英文解釈、長文読解、自由英作文、和文英訳と様々な種類の問題があり、大学によって出題されるものが異なるので、しっかり分析して対策に取り組みたい。
理系
まず差がつくのが化学であろう。共通テスト対策の時点から、多くの人が物理(生物)を第1解答科目にし、化学が第2解答科目になるため、勉強が後回しにされる傾向にある。だからこそ、化学で差が生まれるのだと思う。
そして、やはり英語でも差がついてしまう。周りの理系の国公立大学出身の人に話を聞くと、「英語で合格した」と言う人が多い。数学や物理(生物)はどちらかというと、「落としてはいけない教科」になるようだ。
二次試験の勉強でやってはいけないこと
二次試験対策として最後に、二次試験の勉強でやってはいけないことを2つ挙げる。
早いうちから過去問を解く
早いうちから過去問を解くことはNG。
勉強ってどうしても暗記よりも問題解く方がマシなので、必要な暗記がないがしろになりがち。早いうちから過去問をやってしまうと、二次試験直前にやることがなくなってしまう。
また、過去問演習の1番の目的は、二次試験への形式慣れである。これは、知識を得た上でやったほうが絶対に効率がいい。
1つの得意科目だけに勉強が偏ってしまう
1つの得意科目だけに勉強が偏るのもNG。
二次試験では、どれだけ得意な科目であっても、そこで確実に点が取れる保証がない。得意科目を武器にすることは大切だが、そこをあてにしすぎない方がいい。
メンタル管理
受験に必要なのは学力だけではない。
日々の勉強や、試験当日のプレッシャーに耐えうるメンタルも必要となる。
私自身、共通テスト本番で力が出せず、力が出せなかった人を周りで多く見てきた。
勉強はやってもやっても不安になるものである。最後、試験に向かう前日には、「こんだけやったんだから大丈夫だ!」と割り切っていくことも大事だと思う。自分のしてきた頑張りを自分自身で称えてあげよう。
浪人について
最後に浪人について述べようと思う。
様々な視点から語っているので、ぜひご覧になってほしい。
こちらの記事のリメイクである⬇️
デメリット:10代の貴重な1年間を勉強だけに費やすことになる
「まあ長い人生のうちの1年くらいは浪人してもいいんじゃないかな」といったことを言う人がいるが、こんなこと言えるのは浪人してない人だと思う。
10代に1年出遅れるのと、(極端な話だが)70代に1年出遅れるのとでは、同じ1年でも全く重みが変わるのではないか。
私自身、浪人して18〜19歳のときに1年出遅れたことで、「今後の人生の分岐点は1発でいかないと…」という気持ちが異常に大きくなったと思う。
いま(もしくは、これから)浪人する人たちには、周りがなんと言おうと、「自分はとても貴重な1年間を勉強だけに捧げるんだ」という思いを忘れず頑張ってほしい。
その思いを胸に1年間やりきることができたなら、
文字通り「とても貴重な1年間」を獲得しているにちがいない。
浪人時代に一生懸命やりきった経験は、きっと今後の人生の支えになってくれる。
デメリット:現役の頃以上のプレッシャーがかかる
浪人生は普通の高校生よりも1年間多く勉強に励むので、学力は間違いなくあるはずだ。
しかし、「普通の人と違って1年間多く頑張ってきた」、そこが彼らを狂わせる。彼らは不安になる。「本番で自分の力が出せるのだろうか」と。
浪人生(とりわけ、文系の浪人生)には、「今度こそもう後がない」という気持ちが加わり、のしかかる不安は現役高校生の比にならないレベルとなる。
メリット:メンタルが強くなる
これが1番のメリットだと思う。
私自身、浪人という、良いとは言えない時期の中で、「どうすれば志望校に合格することができるか」を常に考えて過ごしてきた。このメンタリティは今でも発揮されていると思う。
おかげで、浪人して以降、「ネガティブなことをどうポジティブに持っていくか」みたいな考えをする機会が多くなり、ちょっとやそっとのことでは折れないメンタルを手にすることができた。
これは、10代の貴重な1年間を捧げたからこそ得られたものであると思う。浪人していた時の日々の不安、試験当日のあの緊張感は、何にも代えがたいものである。
あの不安や緊張と向き合ってきた経験は、社会の中でも活かされるものであろう。
メリット:浪人した経験はいろんなところで役に立つ
これは精神的な面ではなく、実用的な面から考える。
まず、大学受験の勉強のやり方が仕事に応用できる部分は少なからずあると思う。
国公立大学を受験する場合、共通テストを受験し、その後に二次試験を受験する形になる。その際、「この教科(分野)は確実に点を取りにいきたい」とか、「この教科(分野)は6割くらいまででいいかな」とかみたいな分析が大切になってくる。
これは仕事をする上でも重要な力である。慌ただしい中でも、仕事に優先順位がつけられ、自分が力を注ぐべき仕事をしっかりとこなすことができる。
まあ、これって浪人までしなくても、
ちゃんとしたやり方で勉強できていたら身に付くことなんですけどね…笑
また、未来を担う若者たちにも、現役の時の経験に加え、浪人した経験までふまえたアドバイスをすることができる。
実際、自分の受験体験を教育現場で話す際、話の重みや説得力が大きいなあと我ながら感じることが多い。
別に教育現場で働く人じゃなくても、(自分の子ども、職場の後輩などといった)人を育てるという段階に自分が立った際にも、浪人時代の経験は大いに役立つことだろう。
最後に
大学受験の経験が今後の人生に与える影響は大きいと私は思う。
受験生のみなさん、全力で頑張ってください!
きっと未来の糧になると思います!
今回はここまで。
読んでくださりありがとうございました。