今回からが本題。
*前回の記事はこちら
「【第0回】就学浪人したからこそ言えること」
目次
0.私の結論
まずは結論。私は就学浪人に反対である。実際に浪人した立場から、なぜ反対なのかを述べていこうと思う。すでに浪人生の人、「え、やばくね」と思っているかもしれないが、本記事では、浪人することのデメリットについても述べるので、そのデメリットをなくせるように頑張ってみてほしいところである。
1.デメリットその1
「学力はある。ただ、本番で力が出せるかは別」
浪人生は普通の高校生よりも1年間多く勉強に励むので、学力は間違いなくあるはずだ。しかし、「普通の人と違って1年間多く頑張ってきた」、そこが彼らを狂わせる。彼らは不安になる。「1月の共通テストでちゃんと点数が取れるのだろうか」、「本番で自分の力が出せるのだろうか」と。
もちろん、現役高校生にその悩みがないわけではない。実際、高校3年生を教えていた際、頑張っている生徒ほど不安が止まらない傾向にあったと思う。しかし、浪人生(とりわけ、文系の浪人生)には、「今度こそもう後がない」という気持ちが加わるので、のしかかる不安は現役高校生の比にならないレベルとなる。共通テスト本番で力が出せず、力が出せなかった人を多く見てきた。私が浪人していた時の感覚になってしまうが、当時通っていた大手予備校では、「10人に7人」くらいの割合が第1志望の国立大学を受験できなかったと思う。それだけプレッシャーが大きいということを覚えておいてほしい。
ちなみに、浪人時代の私は、センター試験本番で本来の力以上の力を発揮することができたのだが、その要因についてはまた別の記事で綴ろうと思う。
2.デメリットその2
「日々のメンタルが危ない」
先の「デメリットその1」は、試験本番におけるメンタルについてであったが、不安やプレッシャーに苛まれるのは本番の時だけではない。浪人した年ほど、「自分は来年どうなっているのだろう」と思った時はない。しかも、その不安は闇雲に勉強するだけではなくならない。勉強はやればやるほど不安になるものであるからだ。周囲の人たちの存在や、適度な息抜きは必要不可欠だと考える。
また、浪人しているときに、SNSはあんまり見ない方がいい。ひと足先に大学生活を謳歌している同級生(だった人たち)が目に入り、自らメンタルを壊しにいくようなものである。
私が浪人していた時は、やはり身の回りの人々の存在は大きかったと思う。高校の同級生や、同じ志望校を目指す友人と日々適度なコミュニケーションをとることで、不安が和らいでいたかなと今となっては思う。あと、(無理のない)計画を立てて勉強に取り組むのも大事。「よし、今日は予定どおりやりきれたぞ」という感覚の積み重ねが自分を前向きにしてくれる。
3.デメリットその3
「10代の貴重な1年間を勉強だけに費やすことになる」
よく周りで、「まあ長い人生のうちの1年くらいは浪人してもいいんじゃないかな」みたいなことを言う人がいるが、こんなこと言えるのは浪人してない人だと思う。10代に1年出遅れるのと、(極端な話だが)70代に1年出遅れるのとでは、同じ1年でも全く重みが変わるのではないか。それに、18〜19歳のときに1年出遅れると、「今後の人生の分岐点は1発でいかないと…」という気持ちが異常に大きくなった気がする(幸い、その思いのおかげで教員採用試験は1回で合格できたのだが…)。
いま(もしくは、これから)浪人する人たち、周りがなんと言おうと、「自分はとても貴重な1年間を勉強だけに捧げるんだ」という思いを忘れず頑張ってほしい。その思いを胸に1年間やりきることができたなら、文字通り「とても貴重な1年間」を獲得しているにちがいない。浪人時代に一生懸命やりきった経験は、きっと今後の人生の支えになってくれる(これは次回綴るメリットの話で詳しく掘り下げる)。
今回はここまで。
次回、「【第2回】就学浪人したからこそ言えること -メリットを中心に-」